来年以降に家を建てる方へ。省エネ住宅の「ものさし」が変わります

これから家づくりを考える方にとって、「断熱性能はどのくらいあれば安心なのか」は気になるところだと思います。
省エネ住宅の代表である「ZEH(ゼッチ)」に、新しい定義「GX ZEH」ができました。経済産業省が2025年9月に公表したもので、2027年4月以降に適用されるとされています。いまのZEHよりも、断熱と省エネの基準が一段引き上げられます。
来年度以降に家を建てる方にとっては、ちょうどプランを考える時期と重なる変化です。今回は、GX ZEHのポイントと、その中心にある「断熱等級6」について、できるだけやさしくまとめてみました。
① ZEHが「GX ZEH」に変わると、何が変わる?

ZEHは、家の断熱性能を高め、効率のよい設備でエネルギーを減らしたうえで、太陽光発電などでエネルギーをつくり、1年間のエネルギーの収支をゼロにすることを目指す住宅です。
新しいGX ZEH(戸建住宅)では、主に次のことが求められます。
- 断熱性能は「断熱等級6」の基準を満たすこと
- 太陽光発電などを除いて、冷暖房・換気・給湯・照明で使うエネルギーを、基準より35%以上減らすこと
- 太陽光発電などを導入し、それも合わせて基準の100%以上のエネルギーを減らすこと
- エネルギーの使い方を見える化して設備を制御する仕組み(HEMS)と、家庭用の蓄電池を導入すること
これまでの基準と比べると、次のようになります。
| 省エネ基準 | ZEH水準 | GX ZEH | |
|---|---|---|---|
| 断熱性能 | 断熱等級4 | 断熱等級5以上 | 断熱等級6 |
| エネルギーの削減(太陽光などを除く) | ― | 20%以上 | 35%以上 |
| 設備など | ― | ― | 太陽光発電など・HEMS・蓄電池 |
※省エネ基準は、2025年4月から新築するすべての住宅で適合が義務付けられています。
なお、いまのZEHの定義での新規取得は、2028年3月まで可能とされています。
② 断熱等級6ってどのくらい? 等級4・5・7との違い

断熱等級は、家の「熱の逃げにくさ」を表す等級です。目安になるのが「UA値」という数値で、窓・壁・屋根・床などから逃げる熱の量を、家の外側の面積で割ったものです。数値が小さいほど、熱が逃げにくい家ということになります。
基準の数値は地域ごとに決められていて、広島市は「6地域」にあたります(東広島市や北広島町など、県内でも5地域の市町があります)。6地域の基準は次のとおりです。
| 断熱等級 | UA値の基準(6地域) | 位置づけ |
|---|---|---|
| 等級4 | 0.87以下 | 省エネ基準(いまの最低ライン) |
| 等級5 | 0.60以下 | ZEHの断熱基準 |
| 等級6 | 0.46以下 | GX ZEHの断熱基準 |
| 等級7 | 0.26以下 | さらに上の等級 |
もともとは等級4がいちばん上の等級でしたが、2022年に等級5・6・7が新しくつくられました。UA値で比べると、等級6は等級4のおよそ半分の数値です。冬に暖房の熱が逃げにくく、部屋ごとの温度差も小さくしやすくなります。
国は、2030年にZEH水準の省エネ性能を義務化する方針を示しています。これから建てる家が何十年も住み続ける家であることを考えると、断熱性能は「今の最低ライン」ではなく「その先」を見て選ぶことが大切です。
③ 数字だけでなく「気密」も大事な理由

断熱等級やUA値は、図面から計算して出す数値です。いっぽうで、家にどれだけすき間があるかを表す「C値」は、現場で実際に測ってはじめて分かる数値です。
すき間が多いと、せっかくの断熱材から暖かい空気が逃げ、冷たい外気が入ってきます。計算上は等級6でも、すき間が多ければその性能を十分に発揮できません。断熱と気密はセットで考えることが大切です。
旭ホームズでは、広島地域で国の基準より2ランク上の断熱性能を標準としています。HEAT20のG2(UA値0.46)レベルを標準としており、これは6地域の断熱等級6の基準値と同じ数値です。
あわせて、全棟で気密測定を行い、C値は1.0㎠/㎡以下に抑え、平均的な気密性能は0.3~0.7㎠/㎡としています。気密測定については、先日のブログ「気密測定で建物の性能を確かめる」でもご紹介しています。
また、計画の段階で一次エネルギー計算などを行い、建物の「燃費」を確かめながらプランを考えています。
まとめ

2027年4月から適用されるとされているGX ZEHでは、「断熱等級6」が断熱の基準になります。断熱等級は数字で比べやすい反面、実際の暖かさは、現場のすき間の少なさ(気密)にも大きく左右されます。
これから家を建てる方は、「等級はいくつか」とあわせて、「気密測定をしているか」「C値はどのくらいか」もぜひ確かめてみて下さい。
GX ZEHには太陽光発電や蓄電池などの設備も必要になります。どこまでの性能や設備にするかは、ご予算や暮らし方に合わせて一緒に考えていきましょう。
「新しい基準で建てるには何が必要?」「断熱等級6の家の暖かさを知りたい」という方は、お気軽にご相談下さい。
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