2025年9月24日

リフォームで全館空調の導入は難しい?導入に必要な住宅の条件と注意点

  • コラム
リフォームで全館空調の導入は難しい?導入に必要な住宅の条件と注意点

全館空調は家全体を快適な温度に保つ便利なシステムですが、既存住宅にリフォームで導入する場合は注意が必要です。というのも、天井や床の解体、断熱性・気密性の確保など、大規模な工事が必要になり、費用や工期が大幅に増えることが予想されるためです。

本記事では、全館空調の基礎知識から、リフォームで導入する際に必要な住宅の条件、さらに新築での導入がおすすめな理由まで、わかりやすく解説します。

全館空調システムの基礎知識

全館空調は、家全体をまとめて冷暖房し、室内の温度を均一に保つシステムです。従来のルームエアコンとは異なり、部屋ごとの温度差がほとんどなく、ヒートショックや室内での熱中症のリスクを抑えられます。24時間365日稼働させることが基本で、季節や時間帯に関係なく家中を快適な温度に保つことが可能です。

さらに、全館空調は1台の空調設備で家全体をまかなう設計が多く、室内の見た目がすっきりします。快適な住環境を整えられる上に、インテリアの邪魔をしない便利なシステムだといえるでしょう。

ただし便利な反面、いくつか注意点があります。たとえば、全館空調システムが故障してしまうと、家全体の冷暖房機能が使えなくなり、修理や復旧まで時間がかかる可能性があります。

また、従来のルームエアコンを導入するより初期費用がかかること、家全体の空調をまとめて管理するために高い断熱性・気密性が求められることがデメリットです。全館空調は、メリットと注意点を理解した上で導入を検討しましょう。

全館空調はリフォームで導入できる?

全館空調はリフォームで導入できる?

リフォームで全館空調を導入することは物理的に可能ですが、多額のコストがかかるため現実的ではありません。

たとえば、天井裏や壁の内部、床下にダクトを通して空気を循環させる方式の全館空調を導入する場合、天井や壁、床を大きく解体する工事が必要です。大規模な工事になり、費用が高額になることが予想されるでしょう。

さらに、解体工事の内容によっては気密処理が難しくなり、全館空調を導入しても本来の性能を十分に発揮できない可能性があります。

そのため、全館空調を導入したい場合は、リフォームで後付けするより、新築の段階で設計に組み込むことがおすすめです。新築であれば、高断熱・高気密の住宅設計とあわせて全館空調システムを計画できます。全館空調システムの快適性を最大限に引き出したい場合は、リフォームではなく新築時の導入を検討しましょう。

関連記事:全館空調システムの後付けはできる?新築時の導入がおすすめの理由とは

リフォームで全館空調を導入する際に必要な条件

リフォームで全館空調を導入する際に必要な条件

全館空調は、家全体を均一な温度に保ち、四季を通じて快適に暮らせる点が大きな魅力です。本来は設計段階から組み込む新築時の導入が理想的ですが、条件を満たせばリフォームで後付けすることも不可能ではありません。

ここでは、リフォームで全館空調を導入する際に必要な条件について紹介します。

高断熱・高気密であること

全館空調は室内の温度を一定に保つシステムですが、住宅の断熱性や気密性が低い場合、せっかく暖めた空気や冷やした空気が外に逃げてしまい、快適な温度を維持するのが難しくなります。その結果、全館空調のメリットを十分に感じられないだけにとどまらず、光熱費が高くなる可能性があります。

特に夏場の猛暑日や冬場の寒い日には、外と室内の温度差が大きくなり、快適に過ごすことが難しくなるでしょう。リフォームで全館空調の導入を検討する際には、既存住宅の断熱性や気密性がしっかり確保されているかどうかが重要なポイントの一つです。

空調設備の設置スペースを確保できること

リフォームで全館空調を導入する場合、空調設備を設置するためのスペースの確保が必要になる可能性があります。全館空調の種類や規模によって、空調設備の大きさや設置場所は異なります。既存住宅の間取りや天井高、屋根裏や床下の空間を把握し、適した設置方法を選ぶ必要があるでしょう。

スペースが確保できない場合は、全館空調システムの導入自体が難しくなります。リフォーム前には設置可能なスペースを慎重に確認し、場合によっては間取りの一部を調整する必要が出てくるかもしれません。

ただし、現在ある壁掛けエアコンなどを活用して、新たに空調設備を設置しない全館空調の場合は、スペースを考慮する必要がありません。

全館空調はリフォームより新築での導入がベスト

全館空調は家全体を快適な温度に保つ理想的なシステムですが、リフォームで後付けする場合には大規模な工事が必要となり、コストや工期の負担が非常に大きくなります。

特に、天井裏や壁の内部、床下にダクトを通して空気を循環させるダクト式の全館空調を導入する場合、天井や壁、床などを大きく解体しなければならず、費用が高額になりがちです。また、断熱性や気密性、耐震性などが十分でなければ、せっかく導入しても全館空調の性能を最大限に発揮できない可能性があります。

一方、新築時であれば、設計段階から全館空調を前提にプランを組み込むことが可能です。高断熱・高気密の住宅設計とあわせて進めることで、全館空調の性能を十分に発揮できるだけでなく、空調設備やダクトの設置場所も無理なく確保できます。

快適性と省エネ性能を両立し、長く安心して暮らせる住まいを実現するためには、全館空調の導入はリフォームよりも新築時に計画するのがおすすめです。

旭ホームズでは、新築住宅に適した空調設備の一つとして、床下エアコン「はるかぜ」を採用した全館空調システムを提案しています。夏は床下空間に熱を蓄えて効率的に冷房し、冬は足元から家全体をやさしく暖めることで、一年を通して快適な室内環境を実現します。

さらに、壁には室内機を設置する必要がなく、すっきりとしたデザインを保ちながら、省エネ性とコスト面にも優れた住まいづくりが可能です。新築で全館空調の導入をお考えの方は、広島県内で数多くの実績を重ねてきた旭ホームズにご相談ください。

旭ホームズの床下エアコンについて詳細はこちら>

【新築住宅】全館空調を導入した旭ホームズの施工事例

【新築住宅】全館空調を導入した旭ホームズの施工事例

素の家『海が見える高台の家』

ここでは、旭ホームズが手掛けた新築住宅の施工事例を紹介します。

広島県大竹市に建築された『海が見える高台の家』は、床下エアコン採用の全館空調システムを導入した長期優良住宅です。『海が見える高台の家』は、家庭内の事故に対する安全持続性が評価され、安全持続性能★3つを獲得。安心して長く暮らせる設計となっています。

敷地の東面には美しい海が広がり、北面には桜が咲く情緒豊かな環境です。大きな窓から景色を楽しめる設計でありながら、全館空調により室内はどこでも暖かく涼しい快適な空間を実現しています。さらに、パッシブ設計※を取り入れ、自然光や風を活かしたエコで快適な暮らしを可能にしました。

外観は濃いベージュの外壁に赤い洋瓦をアクセントとして組み合わせ、玄関の軒天には杉の無垢板を使用。内観はゆるく間仕切りされた開放感のある空間設計で、玄関からリビングまで空気が循環し、床下エアコンによる全館空調システムの恩恵を家中で感じられます。

リビングは東面に大きな開口を設け、日差しを取り入れながらもシェードで調整が可能。キッチンから洗面脱衣室、浴室までの距離は近く、効率的な家事動線を確保しており、日々の生活の快適さにも配慮しています。

東面の窓には、大きなトリプルガラスの樹脂サッシを採用し、夏は涼しく冬は暖かい窓辺を実現しました。また、階段室と書斎を仕切る建具によって光を1階まで届ける工夫を施し、細部までこだわった設計で快適さを大切にしています。

旭ホームズは、全館空調の快適性を活かしつつ、景観や生活動線のバランスを考慮した設計を得意としています。新築住宅を建てる際に全館空調システムの導入を検討している方は、ぜひ旭ホームズへご相談ください。

※パッシブ設計:太陽の光や風などの自然のエネルギーを利用して、快適に暮らすための設計手法

旭ホームズの施工事例はこちら>

広島で全館空調システムを導入するなら旭ホームズへ

広島で全館空調システムを導入するなら旭ホームズへ

木の家が持つ素材や素地を生かし、その土地の持つ要素を生かして設計し、末永く素晴らしい暮らしができる家づくり。それが旭ホームズのこだわりです。

広島近郊で、高断熱・高気密な注文住宅をお考えの方や、性能向上リノベーションを検討されている方は、ぜひ一度、旭ホームズのモデルハウスへお立ち寄りください。

所在地〒731-5101広島県広島市佐伯区五月が丘2丁目8
定休日日・祝・水
※事前のご予約があればご見学はいつでも可能です。
※お休みの3日前までのご予約をお願いいたします。

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