親御さんが建てたお家を、どう受け継ぐか


今日は、ご実家を受け継ぐ事になった方に向けたお話です。
10月2日のブログでもお伝えしましたが、最近はご実家のリノベーションのお問合せが増えてきています。
10月21日のブログでは、建て替えと性能向上リノベの向き・不向きや、建築費の事を書かせて頂きました。
今日はもう少し絞って、親御さんが建てたお家を受け継ぐ時の考え方です。
ご自分で買ったお家と違って、ご実家には家族の思い出や、建てた方のこだわりが詰まっています。
その分、「古いから建て替え」とは簡単に決めにくいのだと思います。
残すかどうかは、お家の「いい所」を見てから

安芸郡の『府中の家』は、ご主人のお父様のこだわりを宮大工さんが形にした木造のお家でした。
お施主様は、最初は思い切って全部変える事も考えられていたそうです。
私が「とてもいい家」とお伝えした事もあり、残せる所は残す事になりました。
窓の見直しと床・天井裏の断熱で寒さに手を入れ、和室は壁の塗り替えと畳の交換で活かしています。
完成後には「両親が大切にしていた家の面影を残せて良かったです」というお言葉を頂きました。
同じ安芸郡の『自然と共に暮らす家』は、ご実家の大きな日本家屋の母屋を、2世帯住宅に性能向上リノベーションしたお家です。
既存の土壁は壊さずに熱をためる壁として残し、廃棄物を減らせる様に計画しました。
昔の建具は、食器棚の扉に生まれ変わっています。
土壁や建具の様に、一度壊してしまうと元には戻せないものもあります。
建て替えるか直すかを決める前に、そのお家の「残したい所」をご家族で話しておくと、計画が立てやすくなります。
お家の前の道も、一度確かめておいて下さい

古いご実家で、もうひとつ確かめておきたいのが、お家の前の道です。
建築基準法では、家を建てる敷地は原則として、幅4m以上の道路に2m以上接していないといけません。
昔からの住宅地には、幅が4mに満たない道に面したお家もあります。
そうした道が道路として扱われている場合、建て替える時に道の中心から2mの所まで下がる「セットバック」が必要になり、その分使える敷地が狭くなります。
道にきちんと接していない土地では、建て替えそのものができない「再建築不可」になる事もあります。
また、建てた当時は決まりの範囲内だったお家でも、その後に決まりが変わって、建て替えると今と同じ大きさでは建てられない事があります。
直して住み続ける場合も、土地の条件によってはできる工事が限られるので、正直なところ、ここは早めに確かめておかないと後で慌てる所です。
広島市では、敷地のある区の区役所の建築課で、建てられる敷地かどうかを相談できます。
都市計画の情報は「ひろしま地図ナビ」でも調べる事ができます。
広島市西区の『心弾む家』は、軽量鉄骨2階建てのお家で、建て替えると解体費用が掛かり、リフォームは何社かで「軽量鉄骨の家は難しい」と言われて悩まれていました。
私たちの会社で現地調査をして、建て替えとリフォームそれぞれの概算を出した上で、まだしっかりしている躯体を活かすリフォームをおすすめさせて頂きました。
思い出だけでも、建物の状態だけでも決めきれないのが、ご実家の難しい所だと思います。
年末年始にご家族が集まった時に、ご実家の話が出る事もあるかもしれません。
その時は思い出の話と一緒に、前の道の事も少しだけ気にかけて頂けたら嬉しいです。
ご実家の事で迷われている方とは、ひとつひとつ一緒に確かめながら考えていきたいと思います。







