窓の性能が建物の断熱性向上にとても重要です


【冬の寒い日を暖かく過ごすために欠かせない「窓の断熱性能」】
冬になると「暖房をつけているのに足元が寒い」「窓の近くに行くとヒヤッとする」「結露がひどい」といったお悩みを多く聞きます。その原因の多くは、実は“窓の断熱性能”にあります。
住宅の中で最も熱の出入りが大きい場所は窓で、冬場は室内の暖かい空気の約50~60%が窓から逃げていると言われています。どれだけ壁や天井を高断熱にしても、窓の性能が低ければ室内の快適性は大きく損なわれてしまいます。
冬の寒い日に本当に暖かく、快適に過ごすためには「窓の断熱性能」を正しく理解し、適切な仕様を選ぶことが重要です。
今回は、窓の断熱性能とガラスの性能について、3つのポイントに分けて解説します。
■ポイント① 窓の断熱性能は「U値」で決まる
窓の断熱性能を表す代表的な指標が「U値(熱貫流率)」です。
U値とは、どれだけ熱が外へ逃げやすいかを数値で表したもので、数値が小さいほど断熱性能が高いことを意味します。
例えば、
・昔ながらの単板ガラスのアルミサッシ:U値 約6.5
・複層ガラスのアルミサッシ:U値 約4.0
・樹脂サッシ+Low-E複層ガラス:U値 約1.5~2.0
・トリプルガラス+樹脂サッシ:U値 約0.8~1.2
この数値の違いが、冬の室内環境に大きな差を生みます。
U値が高い(性能が低い)窓では、室内の暖かい熱がどんどん外へ逃げてしまい、暖房をしても効きが悪く、足元が冷えやすくなります。
一方、U値が低い高断熱窓を採用すれば、室内の熱が外へ逃げにくくなり、少ない暖房エネルギーで家全体を暖かく保つことができます。
特に高断熱高気密住宅では、窓の性能が住まいの快適性を左右する最重要ポイントと言っても過言ではありません。
■ポイント② ガラスの性能が「体感温度」と「結露」に大きく影響する
窓の断熱性能を語る上で欠かせないのがガラスの性能です。
現在主流となっているのは「Low-E複層ガラス」や「トリプルガラス」です。
Low-Eガラスとは、ガラス表面に特殊な金属膜をコーティングし、熱の移動を抑えるガラスのことです。
冬は室内の暖かい熱を反射して逃がさず、夏は外の熱を遮断してくれます。
さらに複層ガラスは、ガラスとガラスの間に空気層やアルゴンガス層を設けることで断熱性能を高めています。
トリプルガラスになると、さらに高い断熱性能を発揮します。
ガラス性能が高いと、次のような効果が得られます。
・窓際でも寒さを感じにくい
・コールドドラフト(冷気が足元に流れる現象)が起きにくい
・結露が発生しにくく、カビやダニの抑制につながる
・体感温度が上がり、同じ室温でもより暖かく感じる
冬の寒さは「空気の温度」だけでなく、「表面温度」に大きく左右されます。
断熱性能の低い窓はガラス面が冷たくなり、そこから冷気を感じてしまいます。
高性能なガラスを採用すれば、ガラス表面の温度が下がりにくくなり、部屋全体がやさしい暖かさに包まれます。
■ポイント③ サッシの素材が断熱性能を大きく左右する
意外と見落とされがちなのが「サッシ枠の素材」です。
日本の住宅では長年アルミサッシが主流でしたが、アルミは非常に熱を伝えやすい金属で、断熱性能の面では大きな弱点があります。
素材別の断熱性能を簡単に比較すると、
・アルミサッシ:断熱性能が低い
・アルミ樹脂複合サッシ:中程度
・樹脂・木製サッシ:断熱性能が非常に高い
樹脂は熱を伝えにくいため、窓枠部分からの熱損失を大幅に減らすことができます。
どれだけガラス性能が良くても、サッシがアルミのままだと、そこから熱が逃げてしまい、窓全体の断熱性能は大きく下がってしまいます。
冬に本当に暖かい家を実現するためには、
「高性能ガラス × 樹脂・木製サッシ」の組み合わせが非常に重要です。
【まとめ】
冬の寒い日を暖かく、快適に過ごすために必要な窓の断熱性能は、次の3つがポイントです。
① U値が低い、高断熱な窓を選ぶこと
② Low-E複層ガラスやトリプルガラスなど、ガラス性能を高めること
③ アルミではなく、樹脂サッシを採用すること
この3つが揃うことで、
・暖房効率が上がる
・足元の冷えが改善される
・結露が減る
・健康的で快適な室内環境が整う
という大きなメリットが生まれます。
「冬は寒いのが当たり前」「暖房費がかかるのは仕方ない」と思われがちですが、実は窓を見直すだけで住まいの快適性は大きく変わります。
これからの家づくりやリフォームでは、間取りやデザインだけでなく、「窓の断熱性能」にもしっかりと目を向けることが、冬でも暖かく心地よく暮らせる住まいへの近道になります。







